ボクシングで50戦無敗の元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41=米国)が、大みそかにさいたまスーパーアリーナで開催される総合格闘技RIZIN.14に参戦し、デビュー32連勝を飾ったキックボクシング界の“神童”那須川天心(20)と対戦することが5日、都内で行われた会見で発表された。

RIZINの榊原信行実行委員長は、メイウェザーのファイトマネーについて具体的な金額は明言しなかったが、「格闘技のプロモーターをやらせていただいていますけど、過去最高のファイトマネーを支払うのは間違いない」と語った。メイウェザーは、17年8月26日に米総合格闘技UFC2階級制覇王者コナー・マクレガー(アイルランド)のボクシングデビュー戦の相手として対戦し、10回TKOで勝利し、新記録の50連勝を飾った。その試合では、2億ドル(約220億円)を稼いだと言われている。

榊原実行委員長は、メイウェザーへの巨額のファイトマネーについて質問されると「10年くらい前に、PRIDEをUFCのダナ・ホワイトさんに売ったんですよ。その時に、売ったお金が、まだちょっと残っているので、そのお金でメイウェザーを買いました。売ったお金の一部でギャランティーして…手付けくらいは払えましたか?」と暴露。99年から07年まで開催した格闘技イベントPRIDEを、2007年(平19)3月に米国の世界最高峰の総合格闘技団体UFCに売却した際の残金を、メイウェザー招聘(しょうへい)に当てたと明かした。

その上で、同実行委員長は

「想像にお任せしますけど、100万円で戦う人が10万円もらってニコニコしているのかどうか。そんなのやらないよ、というふうになるんじゃない? そんな中途半端なお金では成立しないのは間違いない」

「100万円もらっている人が、1万円もらっても試合しないのは確か。お金が払われなければ当然やらない」

「契約はありますよ。でも最終的に払えるのか? リスクを取ったので、スポンサードもそうだし、ファンのみんなもサポートして欲しい。お金が足らないです。メイウェザーと天心に約束したものを整え、ギャランティーを彼らに支払えるかどうか…支払いますよ」

などと語った。

メイウェザー対那須川戦の放送について、同委員長は「間違いなく、世界中でライブ放送します」と明言した。特にメイウェザーの地元・米国を含む北米地域とは時差があるが、試合時間を早める可能性について聞かれると「ないです。アジアの人たちがファースト。僕らがオリンピック、ワールドカップを早朝や深夜から見るように、アメリカの方もメイウェザーの試合が見たかったら、早朝から目をこすって見てください」と答えた。

「放送権、特に北米地域ついてはメイウェザー側に売ったか?」と聞かれると、榊原実行委員長は「売り切っていない。お互い放送権はシェアしています。売っちゃったら、僕らは回収できないし、そんなに屈辱的な契約は結んでいない。紳士的な契約の落としどころは、時間がかかったけど見つかって、海外のペイ・パー・ビューもお互い、シェアします。今までの比率よりは、多いんじゃないですか?」と語った。【村上幸将】