ボクシング5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41=米国)と、キックボクシング界の“神童”那須川天心(20)の試合は、3分3回、KOありのエキシビション・ボクシングマッチとして行われることになった。総合格闘技RIZINの榊原信行実行委員長(54)が17日、メイウェザーとの再交渉を行った米国から帰国。誤解を解いた上で、12月31日のRIZIN14大会(さいたまスーパーアリーナ)での世紀の一戦実施を明言した。

榊原氏は、米ロサンゼルスから帰国したその足で、会見に臨んだ。「今回の試合は、ノン・オフィシャル・ファイト、非公式戦です。非公式戦というのは、キャリアに記録が残らない試合。メイウェザーの51試合目の試合ではありません」と、明確に語った。

8日に、メイウェザーがインスタグラムで「那須川との公式戦には1度も同意していない」と試合の中止をほのめかした。10日に緊急渡米した榊原氏は、滞在予定を4日間も延ばし、メイウェザーと交渉。公式戦問題の誤解を解き、あらためて試合実施を約束した。

ボタンの掛け違いは、2人の対決を「スペシャル・チャレンジ・バウト」と表現したことだった。この名称が、放送権交渉に当たった海外のテレビ関係者から「公式戦、非公式戦のどっちなんだ?」とメイウェザー・サイドに問い合わせが相次ぎ、メイウェザーが態度を硬化させることにつながった。「エキシビションという言葉は、日本ではぬるい試合という認識なので、それをあえて使わなかったことで誤解を招いた。基本的に最初の契約と何一つ変えていない」と榊原氏は話した。

榊原氏はメイウェザーも言及した戦いのルールについて「KOありの3分3回。キックはなし。限りなくボクシングに近い、打撃攻撃のみのスタンディングバウト」とし、エキシビションという形式も含め、双方が了承していると説明した。ただ、5階級制覇王者で41歳のメイウェザーが、20歳の那須川に本気モードで臨むとは考えにくい。11月に那須川の米国での公開練習も予定しているという榊原氏は「天心が相手に本気モードのスイッチを押させるか」と、那須川の頑張りに期待した。【桝田朗】