ボクシングで30日にV5戦を控えるWBC世界ライトフライ級王者拳四朗(26=BMB)と、大みそかにマカオで2階級制覇に挑む前IBF世界ミニマム級王者でWBA世界ライトフライ級1位京口紘人(25=ワタナベ)が13日、後楽園ホールで3分2ラウンドの異例の公開スパーを行った。

世界戦をみすえた密度の濃い6分間だった。1回。階級を上げパワーが増した京口の左フックに思わず拳四朗がよろめく。力強いワンツーにも、観客が「おぉ」と興奮の声をあげた。だが、世界王者の拳四朗も黙っていない。2回には手数を増やし、左ジャブで京口をほんろう。距離を取り、ボディを打たせなかった。はりつめた緊張感を保ったまま終了のゴングが鳴ると、ともにさわやかな笑顔を浮かべ、「ありがとうございました」とあいさつを交わした。

アマ時代に4度対戦し、拳四朗が3勝。プロではこれまで階級が違うため対戦はなかった。昨年4月にも同様のエキシビションマッチを行ったが、同階級となった今回は“ガチ”の度合いが違った。京口は試合後のリング上で「自分も勝って2階級制覇し、ビッグマッチをする」と宣戦布告。拳四朗も「年末2人で勝って、来年できれば」と対戦に意欲をみせた。

京口は相手のジャブの精度を「今までやった中でもピカ一」とたたえた上で、「パワーは分があるかな」と手応えも口にした。「大みそかに勝って、肩を並べないとスタートラインに立てない」と気持ちを切り替えタイトル奪取へ集中を高めていく。拳四朗も「ああいう感じになってくると…」と京口を意識も、「今は目の前の試合だけ」と5度目の防衛に自信をのぞかせた。