ボクシング前IBFミニマム級王者で世界ライトフライ級1位の京口紘人(25=ワタナベ)は同級スーパー王者ヘッキー・ブドラー(30=南アフリカ)にTKO勝ちで2階級制覇を達成。

IBF世界フライ級15位の坂本真宏(27=六島)は同級王者モルティ・ムザラネ(36=南アフリカ)にTKO負けで初の世界戦を飾れなかった。

WBO世界スーパーフライ級3位井岡一翔(29)は元3階級制覇王者の同級1位ドニー・ニエテス(36=フィリピン)に判定で敗れ日本ボクシング界初の4階級制覇を逃した。


WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦


京口紘人(25=ワタナベ)TKOヘッキー・ブドラー(30=南アフリカ)

京口は左のボディーやアッパーなど角度をつけた打撃が光った。序盤は相手の手数に押される場面もあったが、左ジャブを丹念に突きつつ、機を見た強打を打ち込んだ。中盤からは再三の強烈な左ボディーでダメージを与えることに成功し、ブドラー陣営が試合続行を断念した。ブドラーはフットワークが鈍り、終盤は防戦一方となった。


京口「まいどおおきに! ありがとう。迫力にちょっと欠けたけど、こつこつジャブついて弱らせる作戦でした。セコンドの指示も的確で。チャンピオンで年越して、本当にうれしい。来年は公言した通り、力つけて、いずれはビッグマッチ、統一戦を考えたい」


ブドラー「京口はフィジカルが非常に強かった。パンチをもらって息が上がってしまった。たくさんもらってしまったため、チームで決めて試合を止めた」


3回、京口はブドラーにボディを放つ(撮影・加藤哉)
3回、京口はブドラーにボディを放つ(撮影・加藤哉)
10回を終えブドラーが棄権を申し出て勝利した京口(撮影・加藤哉)
10回を終えブドラーが棄権を申し出て勝利した京口(撮影・加藤哉)
10回を終えたところでブドラー(右)にTKOで勝利し、抱きかかえられて笑顔を見せる京口(撮影・加藤哉)
10回を終えたところでブドラー(右)にTKOで勝利し、抱きかかえられて笑顔を見せる京口(撮影・加藤哉)

IBF世界フライ級タイトルマッチ12回戦


坂本真宏(27=六島)TKOモルティ・ムザラネ(36=南アフリカ)

坂本は手数で圧倒された。序盤はガードを固めて様子をうかがい、中盤以降は打ち合いの展開。ボディー攻撃から活路を見いだそうとするが、相手のガードの上をたたくばかりで有効打は少なく、ダメージを与えることはできなかった。ムザラネは終始、冷静だった。左ジャブでリズムをつくり、右フックなどを的確に当ててポイントを稼いだ。


坂本「まず応援してくれたたくさんの方に申し訳ない。悔しさでいっぱい。チャンピオンは左のジャブが思ったより強かった。ブロックの上からでも目が腫れてしまった」


ムザラネ「坂本はパンチ力があったから、ガードを上げることに気をつけた。勝てたのは、懸命に練習したたまものだ」


1回、坂本はムザラネに右フックを放つ(撮影・加藤哉)
1回、坂本はムザラネに右フックを放つ(撮影・加藤哉)
8回、坂本はムザラネ(右)から顔面にパンチを受ける(撮影・加藤哉)
8回、坂本はムザラネ(右)から顔面にパンチを受ける(撮影・加藤哉)
10回を終えたところでドクターストップによりムザラネに敗れリングを降りる坂本(撮影・加藤哉)
10回を終えたところでドクターストップによりムザラネに敗れリングを降りる坂本(撮影・加藤哉)

WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦


井岡一翔(29)判定(1ー2)ドニー・ニエテス(36=フィリピン)

前に出た井岡は有効な打撃を欠いて競り負けた。接近して左右のボディーを交えて攻め、ニエテスはフック、アッパーなどカウンターで応戦。だが、ともにガードが堅く、決定打が出ないまま。終盤は井岡の圧力が弱まり、ポイントを奪えなかった。ニエテスは井岡の打ち終わりを的確に捉えた。後半は失速気味も堅守を生かしてペースを保った。


井岡「応援してくれた方の期待に応えられなくて悔しい。きょうは僕の日ではなかった。倒し切れなかった僕が悪い。ここで闘っていくためには、踏ん張らないといけない」


ニエテス「途中で(井岡が)動くスタイルに変えていなければ、KOできていたよ。自分もレガシーを作れて、とてもうれしいよ」


1回、ニエテスに左ジャブを放つ井岡(撮影・加藤哉)
1回、ニエテスに左ジャブを放つ井岡(撮影・加藤哉)
9回、ニエテス(右)に左ボディを放つ井岡(撮影・加藤哉)
9回、ニエテス(右)に左ボディを放つ井岡(撮影・加藤哉)
2人目の判定で1対1となり、井岡(右)はガッツポーズを見せたが…(撮影・加藤哉)
2人目の判定で1対1となり、井岡(右)はガッツポーズを見せたが…(撮影・加藤哉)
判定でニエテス(左)に敗れ悔しそうな表情を見せる井岡(撮影・加藤哉)
判定でニエテス(左)に敗れ悔しそうな表情を見せる井岡(撮影・加藤哉)