ボクシングの元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41=米国)が、30日のRIZIN14大会前日計量でも、オレ流で主催者を振り回した。ボクシング・エキシビションマッチで対戦する那須川天心(20)とそろっての公開計量は拒否。会場にスーツ姿で登場すると、計量の順番も変えさせるなどやりたい放題。ルールもスケジュールもマイペースで、関係者は頭を抱えている。

メイウェザーはご機嫌だった。明るいグレーのスーツに、同じ色の帽子をかぶって、笑顔で公開計量のステージに登場した。RIZIN14大会のメインで、本来なら14番目に登場するはずが、いきなり出現。試合用のトランクス姿の那須川とは対照的だった。

メイウェザー登場前には、計量用の体重計が片付けられた。司会者が事前計量の結果を「メイウェザー選手66・7キロ。那須川選手62・1キロ」と読み上げた。写真撮影では、ガムをかみながら、那須川と並んでニヤニヤ。マイクを握ると「明日はすばらしいショーを楽しんでください」と集まったファンにあいさつした。

RIZINの榊原信行実行委員長は、計量時間変更を「1時ごろまでは行かないと言っていたのに、突然来ると言い出して。たくさんスーツを持ってきたので、それを見せたいと、事前計量になりました。お昼頃量って、私と天心で確認しました」と苦笑した。

日本入りも、当初の予定より1日遅れた。到着時間もコロコロ変わった。来日前には、完売していたリングサイドのチケット100席を要求。来日直前に都内の高級ホテルを指定してくるなど、メイウェザーのやりたい放題に主催者は振り回され続けている。「彼を中心に世界が回っているので仕方ない」と榊原氏も笑うしかなかった。

この日は、計量後に2機の自家用機で一緒にやってきた約50人の仲間と買い物に出かけたという。「9月の来日時は、数億円の買い物をしたと言っていました」と榊原氏。試合当日も、メイウェザータイムで午後7時すぎに会場に“出勤”。午後11時開始予定の試合後に羽田空港に直行、米ラスベガスへ帰途に就くという。RIZINでは、試合終了後に全選手がリングに上がり年越しカウントダウンイベントを予定しているが、「メイウェザーは、米国での年越しカウントダウンに間に合うように帰ると言っていました」と榊原氏。29日午後7時に来日してからわずか2日で数十億と言われるファイトマネーを稼ぎ、メイウェザーは嵐のように日本を去っていく。【桝田朗】