アイドルグループ仮面女子の川村虹花(23)は、9月に亡くなった山本“KID”徳郁さん(享年41)の愛弟子、あい(29)に、1回3分1秒TKOで敗れ、プロ格闘家としてのデビュー戦を白星で飾れなかった。チャレンジルールで5分2回の戦い。開始早々「自信がある」と話していた打撃で積極的に攻めた。強烈な右ストレートが相手の顔面をとらえるたびに会場からは大歓声が上がった。

開始約1分30秒。つかまれ、足をかけられテイクダウンを奪われると劣勢に回った。マウントを取られ、必死に動き逃れようとしたものの、最後は上から連打を浴びた。レフェリーが止めに入り敗戦。終了の瞬間、号泣し、しばらく立てなかった。

「アイドルにできるのか?」との批判を受けても「私にはメンバーや応援してくれるファンがいる」と真っ向から受け止め、前に進んだ。「アイドルでもできるんだと世間の人に知ってもらいたい。歴史を変える」。23日までコンサートに参加しながら練習の日々。二刀流で多忙を極めたが、諦めず前代未聞のアイドルの参戦にこぎつけた。

対戦したあいも「打撃は相手の方が上だった。アイドル活動しながらリングに立って純粋にすごいなと思います。戦っている時もそうだけど格闘技をちゃんとやっている方なんだなと思っている」とたたえた。

アイドルでもできる-。もう誰も何も言わせない。勝利には結びつかなかったとはいえ、RIZINの歴史に生き様をしっかりと刻み込んだ。