世界最速タイのプロ12戦目で世界3階級制覇を達成したWBO世界フライ級王者田中恒成(23=畑中)が、元IBF&WBA世界ライトフライ級統一王者でWBOフライ級4位の田口良一(32=ワタナベ)と3月16日、岐阜メモリアルセンターで愛ドームで初防衛戦を行うことが10日、発表された。試合はTBS系列で全国生中継される。

田口は会見に同席し「まず挑戦を受けてくれて感謝しています」と語った。昨年5月にWBAライトフライ級8度目、IBF同級初防衛戦でブドラーに僅差判定負けして王座を陥落、1度は引退を覚悟した。だが、ブドラーへのリベンジの思いがくすぶる中、田中陣営のオファーを受け、ライトフライからフライへの転級を決断。相手が田中だからこその現役続行だったとも言える。

17年大みそかの対戦予定が流れ、田中に直接謝罪を受けた時の印象を「律義だな。知的で、好青年だなと思った」と語り、ボクサーとしては「頭がいいボクシングをするのが、1番。気持ちも強い。天才肌」と表現した。階級変更初戦が世界戦という点は「賛否両論あるけど、ライトフライでの減量苦を思えば、確実によりよいパフォーマンスができる」とプラスに解釈。「田中選手は本当に強いけど、勝ちたい」と、世界2階級制覇に意欲を見せた。

◆田口良一(たぐち・りょういち)1986年(昭61)12月1日、東京・大田区生まれ。都立芝商卒。04年にワタナベジム入門。06年1回KO勝ちでプロデビュー。07年にライトフライ級で全日本新人王。13年4月に日本同級王座獲得。同年8月、井上尚弥に判定負けし初防衛失敗。14年12月にWBA世界同級王座獲得。17年12月にIBF同級王者メリンドを破り、WBA同級王座7度目の防衛を果たし、IBFとの同級統一王者。昨年5月に王座陥落。168センチの右ボクサーファイター。