WBC世界スーパーライト級2位ホルヘ・リナレス(33=帝拳)が、まさかの初回TKO負けを喫した。同級14位で元WBA暫定王者パブロ・セサール・カノ(29=メキシコ)に、初回早々の右ストレートを皮切りに3度ダウン。3度立ち上がったもののワンツーに後退するとレフェリーストップ。1回2分48秒TKO負けした。

リナレスは通算50戦目で衝撃の黒星となった。開始からカノに攻め込まれて、14秒に右ストレートを首の左あたりに浴びてダウン。持ち直したかに見えたが、1分半を過ぎて右フックでまたダウン。ここも立ち上がったが、残り30秒で右ストレートに3度目のダウン。三たび立ち上がったが、ワンツーにフラフラとロープまで後退。レフェリーが割って入り、09年の初黒星以来の初回KO負けとなった。

カノの兄イバンとは15年のWBCライト級王者時代に対戦し、4回TKOでV2に成功していた。弟に敵を討たれた格好だが、リナレスは「右のパンチが強くて驚いた。負けたが次に向かって進みたい」とリング上でインタビューに答えた。カノは「偉大なファイターに勝ててうれしい。最高のファイトだった」と満面の笑みだった。

リナレスはこれまでフェザー級からライト級まで3階級を制覇した。昨年5月にはワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ)に敗れて王座陥落も、9月の再起戦では階級を上げてアブネル・コット(38=プエルトリコ)を3回TKO。WBC王者ホセ・ラミレス(26=米国)は2月10日に米国カリフォルニア州で、ホセ・セペダ(29=同)との防衛戦を予定。リナレスは勝者に挑戦して、4階級制覇を狙うはずだった。