NBAであわや場外乱闘! ボクシングWBO世界スーパーウエルター級3位井上岳志(28=ワールド)が25日(日本時間26日)、米ヒューストンでの前日計量を69・7キロで一発パスした。26日(同27日)に王者ハイメ・ムンギア(メキシコ)に世界初挑戦するが、「あまり動じていない自分がいる。今まで減量した中では一番調子がいいかもしれない。この試合でボクシングをやってきた意味が問われる」と意気込んだ。

動じない精神はさっそく、計量後に王者と“真っ向勝負”した。プロモーションを行ったNBAロケッツ-ラプターズ戦のハーフタイムで、額を付き合わすと、そのまま胸を押し合い乱闘寸前に。関係者が割って入り、その場は収まったが堂々と渡り合った。

王者は31戦全勝(26KO)の次期スター候補で、大手ブックメーカーのオッズは1-16の差がつく。「井上は無名で、研究するにも材料が少なく苦労した」と余裕の弁のムンギアは、ミドル級との2階級制覇に色目も見せる。王座奪取となれば、日本人では三原正以来38年ぶり。しっかりリングの上でこそ、逆境を跳ね返してみせる。