読者が選ぶ第23回日刊バトル大賞で、プロレス部門の最優秀選手に新日本プロレスの棚橋弘至(42)が選出された。22~28日までニッカンスポーツコムで実施した投票で50%以上の得票を獲得。圧倒的な支持を得た。棚橋は1月4日に4年ぶりに奪還したIWGPヘビー級のベルトとともに、昨年以上の活躍を誓った。

   ◇   ◇   ◇

すでに数々の賞を手にしている棚橋だが、11、14年度以来3度目の日刊バトル大賞プロレス部門のMVPに「それぞれの媒体で読者層が違う。MVP1つ1つに意味がある。昔からずっと取材してもらっているので、うれしいです」と喜んだ。

特別な1年だった。生まれてから1度も疲れたことがないという“100年に1人の逸材”も「めちゃくちゃ忙しかった」。昨夏のG1クライマックス優勝で勢いを付け、今年1月4日の東京ドーム大会ではメインでケニー・オメガを下し約4年ぶりにIWGPヘビー級ベルトを獲得した。

リング外でも映画「パパはわるものチャンピオン」の主演や数々のテレビ出演などをこなすマルチな活躍ぶり。練習、試合、PRと休みなく動きプロレスの魅力を広く世間にアピール。「毎年毎年忙しさを更新している。今年はそれより上をいく? のかな…」と話す表情はうれしそうだった。

右膝のけがもあり、この4年ベルトから遠ざかった。「その期間が“2人”の間を引き離してしまったんです」。ヨリを戻した恋人のように今はベルトを巻くことが新鮮で楽しい。2月11日に大阪でジェイ・ホワイトとの初防衛戦を控えるが、まだ肌になじみきっていないこのベルトを渡すつもりはない。防衛を続け「元号またぎ、新元号最初のチャンピオン」を狙う。

今年の目標を色紙に書くようお願いすると「新棚橋誕生!」と力強く記した。「もう生まれそうです。予定日は過ぎてます」。現状維持ではなく、どこかで生まれる? 新たな姿で今年も新日本とプロレス界を盛り上げる。【高場泉穂】