天山広吉(47)が飯塚高史(52)との“友情タッグ”再結成を断念した。

飯塚の引退試合(21日、東京・後楽園ホール)前最後の機会となった6人タッグで飯塚と対戦。タッグ結成時のTシャツを持ち込み、再合体を訴えたが、イス攻撃を食らっての反則勝ち。天山は「もう友情タッグなんかクソ食らえ。最後に地獄落としたる」と、逆に飯塚の引退試合の対戦相手に名乗りを上げた。

元相棒にかけた天山の情けが、怒りに変わった。反則勝ちの試合後、ほえた。「何回言うたらわかんねん? 飯塚、脳みそ入っとんか? これ見ても思い出さんか?」-。08年の友情タッグ結成時に作ったTシャツを着てリングインし、ゴング前にマイクで訴えた。「飯塚よ、このTシャツ見ろ。友情タッグや。もう1回…」-。しかし、そこまでだった。

友情タッグは11年前、飯塚が自分を助け、結成され、直後に飯塚が裏切って崩壊した。その因縁の大阪で、飯塚はこの日、自分だけでなく小島、ライガーにもかみつき攻撃を繰り返した。関節技、スープレックスを駆使する正統派で鳴らした男が、頭をそり上げた狂乱ファイターは変貌し、今に至る。この日は一瞬だけ、元に戻りそうになった。天山を守るように、イスを振り上げて、鈴木に向けた。しかし、結局はイスで天山を殴打、試合終了のゴングが打ち鳴らされた。

21日に行われる飯塚の引退試合前最後の試合だった。「友情タッグ、もうええわ。飯塚には引退の花道を作ってやりたかったけど。情けない言うか、どうしようもない」。何度手を差し伸べても、それをつかもうとしない元相棒に愛想を尽かした。「こうなったら後楽園(ホール)で無理やりカード組んでもろて、地獄落としたる。友情なんかクソ食らえや。最後にがっちり地獄に落としたる」。飯塚の花道に、と願い続けた引退試合で、天山は自分なりのケジメをつけることを予告した。【加藤裕一】