かつて格闘王と呼ばれたレジェンド、前田日明氏(60)がセミファイナルの6人タッグにセコンドとして登場し、会場を沸かせた。前田氏は、6月に引退試合を控え、今回が最後の出場となる長州力組と対戦する藤原喜明組を青コーナー下でジーパンにジャケットのラフな姿で見守った。

試合中には、藤原が何度も前田氏にリングに上がるようけしかけた。対戦相手の藤波辰爾からも、リング上から盛んに挑発された。それでも、前田氏は動かなかった。終了後にはリングにあがり、マイクでファンにあいさつ。1度帰り掛けた長州力が、ロープに飛んでリキラリアットに入るポーズを見せるも、笑って受け流した。その長州とがっちり握手をかわすと、超満員の会場が大歓声に包まれた。

前田氏は「みんなよくやっているね。オレは引退試合をやったからダメですね」と参戦しなかった理由を説明。さらに「マスターズの試合は派手なロープワークも変わったリバース(返し)もない。それでも、長年やっている試合の経験と間でやっている。そういうキャリアの人たちの試合を見て、若い選手も考えてほしい」と、プロレス界に訴えた。