5月18日に英グラスゴーでワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)準決勝に臨むWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)が16日、横浜市の所属ジムで会見に臨んだ。

 

IBF世界同級王者エマヌエル・ロドリゲス(26=プエルトリコ)と決勝進出を懸けて拳を交える。井上にとって初めての2団体統一戦。ボクシング発祥の地に初上陸となる。

「英国はボクシング熱が高いというイメージがある」と口にした井上は、WBSS1回戦のフアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)戦に続く、2試合連続秒殺勝利への意欲を問われ「ボクシングは真剣勝負の殴り合い。毎回、秒殺のイメージはないですが、何が起こる分からないですから」と自信の笑みを浮かべた。

昨年10月、井上は大橋秀行会長とともに米オーランドで開催されたWBSS1回戦となるロドリゲスの初防衛戦を視察した。試合後、リングに上がって判定勝ちを収めたロドリゲスと顔を合わせている。井上は「パッと目を合わせた時、気持ちの弱さを感じました。対戦相手としての威圧感がなかったですね」と精神的に優位に立てていたエピソードも明かした。

元WBA、WBC世界ミニマム級王者となる大橋会長は「ロドリゲスは無敗の王者。尚弥とは身長も距離感も同じで、いわば南米のモンスター。ボクシング発祥の地でモンスター同士が戦う、見応えある技術戦になる」と予測。井上の父真吾トレーナーも「どちらが先に1発を当てるかの試合ですね」と分析した。会見後には世界主要4団体で世界ランキング入りする元日本スーパーフライ級王者石田匠(27=井岡)と4回のスパーリングも公開。強烈な左フックや右ショートなどキレあるパンチを繰り出していた。