RIZINに参戦していた“400戦無敗”ヒクソン・グレイシーの次男クロン・グレイシー(30=ブラジル)が鮮烈な一本勝ちでUFCデビューを果たした。アレックス・カサレス(30=米国)とのフェザー級5分3回で対戦。1回2分6秒、裸絞め(ギロチンチョーク)でギブアップを奪った。グレイシー姓の一族によるUFC勝利はヒクソンの弟ホイスが94年12月、UFC4大会でダン・スパーン(米国)に勝って以来約25年ぶりとなる。

「オレの柔術は特殊、父親譲りだから」と豪語するクロンはリラックスした表情でオクタゴンへ。いきなり胴をつかんで背後に入って倒した。両足で胴絞め、さらに確実に太い腕を首に巻きけてギブアップさせた。文句なしの白星デビューを飾ったクロンは「生まれたときからずっと柔術の訓練に励んでいるけど、常にMMA(総合格闘技)を意識したものだったから、誰にとっても容赦なしだ。ポイントに基づく競技の柔術とは違い、オレは常に関節技を狙っている」と自信をみなぎらせた。

94年のホイス以来となるグレイシー一族のUFC勝利となった。「小さい頃から一族を代表してきた。それが常にモチベーションだった。年を取ればそういうモチベーションは必要なくなって、自分の一部になっていくんだ」と振り返るクロンは「おもしろかったのはみんなが、ホイス以来、グレイシーは勝っていないって言ってきたこと。それでもっとプレッシャーを感じたけど、でも、自分の名前に恥じぬように、プレッシャーの中でも冷静さを保つ時なんだなと思った」と安堵(あんど)の笑みを浮かべていた。