力道山やジャイアント馬場のライバルとして知られる伝説の覆面プロレスラー、ザ・デストロイヤー(本名リチャード・ベイヤー)さんが7日(日本時間8日)、亡くなった。享年88歳。同日に複数の米メディアが報じた。元プロレスラーの息子カート・ベイヤー氏が自身のフェイスブックで報告したもので「父のデストロイヤー、ドクターXことディック・ベイヤーが今日正午すぎに亡くなりました。自宅で子どもたち、妻に囲まれながら平穏に去っていきました」などとつづった。デストロイヤーさんはここ数週間、病院のケアを受けていたという。

米バファロー出身のデストロイヤーさんは1954年に素顔でデビューしていたが、62年に白地に赤の縁取りを付けたマスクを装着し、覆面レスラーの「デストロイヤー」として変身後に大ブレーク。同年にブラッシーを下してWWAヘビー級王座を獲得。63年には日本プロレスに初来日し、力道山と対戦した。特に同年5月24日、力道山とのWWAヘビー級王座は平均視聴率64%をマークした。

以後、ジャイアント馬場のライバルとして大きな注目を集め、またアントニオ猪木とも対戦している。73~79年には日本に在住し、全日本プロレスの所属選手として活躍。馬場やジャンボ鶴田とタッグを組み、ブッチャーやミル・マスカラスと対戦し、人気を博した。そのキャリアは約40年、日米合わせて8000試合以上におよんでいる。

また日本テレビのバラエティー番組「金曜10時!うわさのチャンネル!!」にレギュラーで登場し、和田アキ子、徳光和夫アナウンサーとの掛け合いも人気を集めた。93年に現役を引退。たびたび来日し、17年には外国人叙勲者として旭日双光章を受章していた。