女子プロレス界の“横綱”里村明衣子(39)率いるセンダイガールズ(仙女)が、震災からちょうど8年を迎えた日、東京で「あの日を忘れない」と題した大会を行った。試合前には選手がリングにあがり、観客とともに黙とうをささげた。震災翌年の12年以来毎年3月11日に東京で試合を行ってきた。里村はリング上で、その狙いと思いを語った。

「3月11日、東日本大震災から8年がたちました。あの日に思いを寄せて、ここに足を運んでくださっている方も多いと思います。いつ、何が起こるか分からない。あの時、日本中、世界中の方々が助け合ってここまでこれたこと。センダイガールズもたくさんの方に支えられてここまでこられたこと。絶対に忘れたくない、という思いで毎年開催させていただいています。何かあった時にすぐに助けにいけるような団体であり、選手でありたいな、と思っております。人それぞれ使命があると思いますが、今日はセンダイガールズの思いをぶつけていきたいと思います」。

仙台から世界一の女子プロレスを目指す仙女。その志通り、特別な日に熱くハイレベルな戦いを繰り広げた。第3試合では、ワールドシングル王者の橋本千紘(26)が、挑戦者の旧姓・広田さくら(40)をオブライト(原爆固め)で下し、V4の最多防衛記録を達成した。橋本は日大レスリング部を経て、15年に入団。11年当時は大学生で東京にいた。「自分は東京にいて、被災はしなかったが、いまこうしてセンダイガールズでチャンピオンでいるのには意味があると思う。プロレスを通じて、東北のみなさんにパワーを届けることが私の役目」と、力強く宣言した。