元DEEP JEWELS女子フェザー級王者山口芽生(V・V・Mei=36)が日本凱旋(がいせん)試合で鮮やかな勝利を収めた。女子アトム級5分3回で、クセニア・ラチコヴァ(ロシア)と対戦し、3回3分18秒、腕ひしぎ逆十字固めで一本勝ちを飾った。

「打撃が強かった」という難敵に対し、山口は2回にテークダウンを奪ってガードポジションから攻め込んでペースを握った。キックボクシングの「神童」那須川天心の父弘幸トレーナーをセコンドに招き、打撃面の指導も受けていた。「相手フックとかを気にしなさい」とのアドバイス通り、右の強打などで身長の高いラチコヴァの打撃を攻略。3回にもテークダウンを奪取。寝技の攻防から「これしかチャンスがないと思った」とマウントポジションからスムーズに移行した腕ひしぎ逆十字固めでギブアップに追い込んだ。ケージ内で大歓声を浴びると「みなさんの『やまぐちー!』という声が胸に刺さりました」と感謝した。

幼少時代から父親の仕事の関係で米ロサンゼルスに移住した山口は映画俳優ジャッキー・チェンにあこがれ、6歳から空手を開始。日米で生活しながら07年にプロデビューし、15年にはDEEPの女子王座を獲得した。16年からONEチャンピオンシップと契約を結び、主戦場を海外へ。昨年5月のシンガポール大会ではONEアトム級王者アンジェラ・リー(シンガポール)に挑戦しながら惜しくも判定負けを喫していた。

次回の日本大会が10月に設定されており「一本勝ちで次につながると思います。ぜひアトム級のベルトに再挑戦したい」。王座再挑戦に向け、はずみをつける勝利に笑顔いっぱいだった。