13年高校総体同級覇者の岩田翔吉(23=帝拳)が白星で国内プロデビュー戦を飾った。昨年の全日本同級新人王で同級14位の亀山大輝(22=ワタナベ)との6回戦に臨み、3回にダウンを奪って3-0の判定勝ちを収めた。

東京・日出高時代に同学年のWBO世界フライ級王者田中恒成(畑中)、WBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(大橋)から勝利を挙げたアマの実力者が聖地で躍動した。

好機を見逃さなかった。岩田が、動きの速い亀山の顔面に右カウンターを打ち抜いた。「拳の先端が当たって感触がありました」と振り返る右でダウンを奪取。好戦的な新人王のパンチをすり抜け、4連打を浴びせた。完勝の内容にも「相手は実力者ですが、仕留めたかった。20%ぐらいしか実力を出せていない。練習して強くなりたい」と反省も忘れなかった。

昨年12月、米国で4回TKO勝ちのプロデビューを果たした後、国内ライセンス取得のために1月にプロテストを受験。早大ボクシング部でリーグ戦を戦ってきた後楽園ホールの舞台でも「200人の応援が集まってくれた。めちゃくちゃ楽しかった」と満喫した笑み。高校時代に田中、井上拓という世界王者から勝利した注目選手は、これで日本ランク入りも確実だ。「(KOで)仕留められるボクサーになりたい」と声をはずませていた。