【グラスゴー(英国)18日=藤中栄二】WBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(23=大橋)が、WBA同級王者の兄尚弥(26=大橋)に続く欧州世界戦への意欲を示した。

同地でIBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(26=プエルトリコ)とワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)準決勝を控えた兄のサポート役として同行中。欧州開催の可能性もあるWBC同級正規王者ナルディーヌ・ウバーリ(32=フランス)との統一戦に前向きな姿勢をみせた。

10日間、英国で兄を支え、現地練習を続けてきた井上拓に欧州への思いがわき上がった。DVD全巻を購入済みの人気シリーズ映画「ハリー・ポッター」ファンでもあり、英国の雰囲気が心身にフィット。「環境がいいので、欧州でやれるならやってみたい。統一戦が欧州でもいいですよ」との気持ちが高まった。

今回のWBSSで井上一家は欧州世界戦に臨むノウハウを得た。井上拓は間近で兄の調整を見守ってきたこともあり「練習環境ができていれば、どこでも調整できる」との手応えがある。ウバーリは来月にモロッコで初防衛戦に臨む見通し。大橋会長によれば、今秋以降に統一戦が実現するという。昨年12月の王座奪取から試合間隔が空く井上拓は「ケガして1年ブランクあった時も問題なかったので気にしていない。試合が決まればモチベーションもあがります」と統一戦決定を楽しみに待っていた。