日本スーパーバンタム級1位久我勇作(28=ワタナベ)が王者に返り咲いた。同級王者田村亮一(31=JBスポーツ)と2年ぶりに再戦。5回にコーナーに追い込んでダウンを奪って3-0の判定勝ち。昨年7月に陥落した王座を奪回した。

2人は17年7月に、久我が前王者時代の初防衛戦で判定勝ちしていた。今回は立場を変えての再戦で、田村が体を揺すらせながら攻めてきたが、久我は的確なクリーンヒットで流れをつかむ。5回にはコーナーに追い込んでの連打で、ダウンを奪った。立ち上がってくるとさらに攻勢も反撃を浴びた。

6回にセコンドから「この回は休め」の指示。ここで田村の強引な頭をつけての攻勢を許してしまった。終盤までは接近戦でクリンチも多くなり、判定へ持ち込まれたが、1、3、5ポイント差の3-0だった。

田村には前回に続いて田村を連破して「5回は決めようと力み過ぎた。思った通りにやりづらい相手。接近戦もうまく、後半は持ち味を出され、付き合ってしまった」と振り返った。

それでも昨年7月に世界へのサバイバル戦で、和気慎吾(FLARE山上)に10回TKO負けして手放した王座を取り戻した。「元の位置に戻ってこれた。今回は勝つことだけを考えていた。先は何も考えていないが、海外とかも出たい気持ちはある。前回以上の場所に進みたい」と控えめに話した。

ワタナベジムは今年に入って、谷口、田口、船井と世界挑戦に3連敗していた。チャンピオンカーニバルでもミニマム級王者小野、バンタム級暫定王者木村が陥落、フェザー級王者源は0-1で辛くも引き分け防衛だった。渡辺会長は「悪い流れを止めてくれた」とホッとしていた。