ボクシング元世界王者たちが、2回TKO勝利の井上尚弥を絶賛した。元WBCバンタム級王者山中慎介氏は、WOWOWの生中継で英国グラスゴーから現地解説。「最初のダウンは相打ちかと思ったが、瞬間の判断の速さ、パンチの威力が違う。パワーが違った。ロドリゲスは2度目のボディーでのダウンで心が折れた」と破壊力の違いを強調。3試合連続の序盤決着に「これだけ注目されていて、3試合で結果を出している。あきれる強さ。汗もかいていない」と評した。

東京のスタジオで解説を務めた元WBCスーパーライト級王者浜田剛史氏は「1回はロドリゲスにとられた。井上は空振りもあり、若干焦りもあったのでは」と分析。「2回も打ち合いの勝負に来たが、井上は切り替えて対応した。実力は紙一重でも、井上の瞬間の判断に数段の違いがあった。短い時間も技術戦の中で、パンチ力は何よりの武器。さすが」と褒めちぎった。ドネアとの決勝に向けて「現状伸びている井上と、現状維持しているドネア。新旧交代かな」と井上の優勝を予想した。

同じくスタジオ解説した元WBCスーパーバンタム級王者西岡利晃氏は、一発に衝撃を受けていた。まずは「ロドリゲスがプレッシャーをかけるとは思わなかった」。予想外の出だしだったが「2回は前に出させるとまずいと、井上が強めに出た。ロドリゲスの左ガードは高いが、一瞬の隙をついた。左フック一発ですべてが変わった。一発でひっくり返し、すばらしい」と絶賛。ボディーでの連続ダウンには「当たって押し込んでいる。フォロースルーがすごい」と解説した。決勝は「勢いのある井上」と、こちらも井上の優勝を予想した。