シュートボクシング世界女子フライ級王者RENA(27)が、14日(日本時間15日)米ニューヨーク・マディソンスクエアガーデン(MSG)で行われるベラトール222大会でリンジー・ヴァンザント(米国)と対戦する。日本人女子格闘家として初めて聖地MSGに立つRENAに思いを聞いた。【取材・構成=高場泉穂】

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「1度だけ」とシュートボクシングに土台を置きながら総合格闘技デビューしたのは15年の大みそか。それから約3年半。負けや減量ミスの悔しさを経験し、聖地にあがるチャンスが巡ってきた。

「不安よりワクワクの方が大きいです。歴史に名を刻めるのはうれしいこと。ただあがるだけでなく、いい結果を出して勝ちたい。記録と記憶を残したいです。これが自分の総合格闘技での1つ目の集大成になると思います」。

米国初試合というだけでなく、金網に囲まれたケージで戦うのも初めて。RIZIN女子スーパーアトム級王者浜崎朱加(37)が所属する都内のAACCジムで金網対策も入念に行ってきた。

「AACCの網は硬くて、めちゃくちゃ痛いんです。いつも悲鳴あげながら練習していました。でも、もともと立ち技の選手なので金網を使ってやるほうが、立ちやすい。苦手意識はないですが、試合でおりの中にいれられる感じが、どういう感じなのかは分からないですね」。

相手のヴァンザントは積極的に打撃で攻めてくるタイプ。激しい展開を予想し、その中で確実に勝ちを狙いにいくつもりだ。

「向こうも殴り合いが好きなので激しい打ち合いになると思います。(寝技で積極的に攻めたRIZIN14は)楽しかったんですけど、今回は確実さがほしい。自分の得意分野に持っていくようにします。ファンの方々は、激しい打撃戦を求めると思うので、それで盛り上げられたら」。

今回は米国での経験も豊富な総合格闘技の先輩浜崎がセコンドにつく。

「安心感があります。立ち技の時は先輩の女性がおらず、かなわない人がいなかった。総合になって初めてですね。浜崎さんと寝ころんだら何もできないです。試合前にアップする時もこれより強い人はいない。そう思うと試合が楽です」。

16歳からプロ格闘家として活動し、今年で12年目。今後どういう道を進んでいくのかは、「自分でも分からないんです」と話す。

「まだ走っている最中ですが、ゴール付近は見えてきました。選択肢はいろいろありますが、どのゴールにいくのか。今回、米国で試合をしたいという総合格闘技の夢がかなうので、終わった後の自分の感情がどうなるのかが、楽しみです」。