WBO世界スーパーフライ級2位井岡一翔(30=Reason大貴)が、再挑戦で日本男子初の4階級制覇を達成した。同級1位アストン・パリクテ(28=フィリピン)との王座決定戦。長身で強打の強敵を相手に技術を生かして10回1分46秒でTKO勝ちした。

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最後にみせた井岡のたたみかけは素晴らしいものがあったと思う。身長、リーチ差のある相手のペースになるかと思われたが、相手との距離感をつかみ、徐々にパンチを当て、右アッパーまでヒットさせ、次第に自らのペースに引き込んでいた。仕留め切り、終わって見れば必然のTKO勝ちのような展開だった。7回のパンチ連打で疲れたパリクテの失速が早かったこともあるが、それを差し引いても既にパリクテは攻め手がなかったように思う。

大みそかのニエテス戦で感じていた井岡のスーパーフライ級でのパワー不足は、もう解消されていたと言っていい。日本男子初の4階級制覇を達成した後、まずは指名試合をクリアすることになると思う。私は井岡のその後を楽しみにしている。まず私の大橋ジムには井岡と同じ階級で4階級制覇を狙う八重樫東がいる。ミニマム級王座統一戦で1度対戦していますが、ぜひ八重樫の挑戦を受けてほしいと思います。(元WBA、元WBC世界ミニマム級王者・大橋秀行)