キックボクシングRISE世界フェザー級王者那須川天心(20)とボクシング元世界3階級制覇王者の亀田興毅氏(32)が22日、AbemaTVのスペシャルマッチで対戦した。3回3ラウンド戦い、3回からはお互いにヘッドギアを外して殴り合ったが、お互いにダウンはなく終わった。那須川は挑戦者の亀田氏にKOでの1000万円を献上しなかったどころか、優勢に試合を進めた。元世界王者相手にボクシング面での高い技術をみせつけた。

昨年大みそかのRIZINのリングで元ボクシング5階級制覇王者フロイド・メイウェザーと対戦。体格差、技術すべてで圧倒され、1回TKOで敗れた。「ボクシングでやられたものは、ボクシングで返す」。ボクシングの技術を磨くことで、その悔しさと向き合ってきた。5月にはAbemaTVの企画「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」に参加。元プロボクサーらと互角に打ち合い、ボクシングで失った自信を取り戻した。亀田戦に向けた前日会見では「今まで見せてない技術、パンチの種類も増えますし、自信はある。まだ若いので思いっきりいくだけ」。宣言通り、今持つボクシングの技術を亀田氏にぶつけた。

これまで交わることのなかった2人の戦いは、試合前に賛否両論を巻き起こした。3月から連戦続きで、7月にRISE世界トーナメントを控えるだけに、回避の選択もあった。それでもこの対戦を受けたのは、格闘技界を盛り上げるため。「格闘技を背負っていく以上、ここでつまずいてはいられない。亀田さんは世代交代させないつもりでしょうけど、僕は世代交代しなきゃいけない」。平成の格闘技界を盛り上げた1人、亀田氏との戦いを糧に、令和の格闘界のスターとして走り続ける。