ボクシングWBOアジア太平洋スーパーウェルター級1位井上岳志(29=ワールド)が、ニュースタイルの再起戦で王座奪回を狙う。3日に東京・後楽園ホールでの同王座決定12回戦で、同級4位コムサン・ポンセーン(36=タイ)と対戦する。

2日の都内での前日計量は井上がリミットより200グラム少ない69・7キロ、コムサンが69・3キロでクリアした。

井上は1月に米国で、WBO同級王者ハイメ・ムンギア(22=メキシコ)に世界初挑戦した。0-3で判定負けも、馬力を生かした接近戦で相手にまとわりつくジョロウグモ作戦で健闘は見せた。「勝ってると思った瞬間が何度かあった。近そうで遠いかもしれないが、壁を越えられると肌で実感できた」と手応えも得た。

試合では相手を追い込んだが詰め切れず。ポイントでは大差がついた。「課題も明確になった。ポイントを奪わないと勝てない。それにはジャブから入り、やはりストレートがないと崩せない」と実感。この7カ月は徹底してストレートをみがいてきた。「今までは苦手だったが、得意パンチになるかもしれない」というまでになった。

世界挑戦前に返上した王座をかけた再起戦となるが、目指すは世界再挑戦しかない。「今回はジョロウグモは禁止令。距離をとって空間を作り、ナックルを返して、内からのストレートを効かせたい」。ニュー井上でKO奪取し、再出発を期した。