ボクシングWBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(25=ワタナベ)が10日、10月1日の久田哲也(34=ハラダ)との2度目の防衛戦(エディオンアリーナ大阪)に向けて都内の所属ジムで初の12回のスパーリングを行い“引き出し”全開のハイレベルな技術を披露した。

テーマは「考える」。回が変わるごとに変幻自在の姿をみせた。「ただスタミナを使うだけでなく、ここはカウンターを狙う、ここは休む、ここはボディーでダメージ与えると考えながらやった」。狙いにいった6回は飛び込んだ形のストレートから連打で一気にダウンを奪取。パワーでも圧倒した。京口は「細かくやりたいことがやれた。意味のあるスパーだった」と満足そうに振り返った。

勝つことはもちろん、「目が離せないボクシングをやりたい」とその先の理想を見つめる。6月の初防衛戦では「4回KO」を目標としたことがあだになりペース配分に失敗。ヤマ場を作れず、3-0の判定決着だった。その反省が今回の余裕のスパーに生きている。「自分のベースにパーツを付け加えていく作業を、追求していかないと」。残り3週間、職人のように細かく技術を磨いていく。【高場泉穂】