ボクシングの成年女子フライ級で河野沙捺(23=渡辺溶接所、浜松工高出)が、2連覇を達成。持ち味の手数とスタミナの豊富さで優位に立ち、判定勝ちを収めた。

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河野は、決勝で昨年の世界選手権銅メダリストに判定勝ちし、2連覇を達成した。1Rは距離を詰める相手に苦戦したが、2R以降は修正。ジャブで間合いを測り、次々と有効打を当てた。結果は4-1で判定勝ち。「周りのアドバイスを冷静に聞いて、ストレートを効果的に使えた」。高校時代の恩師・豊田浩一総監督(59=浜松工高教)は「インファイトに付き合わず、落ち着いていた。よく持ち直した」と目を細めた。

湖西市出身で、浜松工高を経て近大に進学。今春から社会人となり、大学時代に教えを受けた鈴木康弘氏(31)の下で、現在は札幌を拠点に練習を積んでいる。手数を抑えて有効打を増やすなど、さまざまなスタイルを模索。いずれも納得の結果を得られず、原点回帰した。「私は技術がない分、手数とスタミナで勝負するタイプ。持ち味を再確認して、調子も上がってきた」と手応えを口にした。

今後は16日に開幕する全日本女子選手権(札幌)に照準を合わせる。過去にはバンタム級で3度頂点に立った。今回優勝すれば、念願の東京五輪出場に1歩近づく。「今回の結果を自信にして、全日本につなげたい」と意気込んだ。【古地真隆】