格闘技イベント「RIZIN19」(12日、エディオンアリーナ大阪)の選手インタビューが10日、大阪市内のホテルであり、第8代修斗世界ウエルター王者川尻達也(41)がパトリッキー・フレイレ(33=ブラジル)とのライト級GPトーナメント初戦(総合ルール、71・0キロ契約)への抱負を語った。

相手はベラトールの刺客、ピットブル兄弟の兄。超攻撃型ファイターと戦う大ベテラン川尻が不利との声が多い。そんな下馬評への不快感を、笑いながらも隠さなかった。「肝を据えて、ひっくり返したい。覚悟というか、呪い、怨念。正直イライラします。“不利じゃねえよ”と」。

「最後のチャレンジ」と言うライト級GP出場権は、7月28日のRIZIN17でアリ・アブドゥルカリコフを破って勝ち取った。「どんなにみっともなくても、失笑が起きても、ウンコもらしても勝ちます」。大みそかのGP決勝のリングに立つ決意は揺るぎない。

04年のデビューからPRIDE、DREAMにも参戦し、五味隆典、魔裟斗、武田幸三ら伝説的ファイターと戦い、今も現役であり続ける。「若い時はもっと傲慢(ごうまん)で、それがプラスになった。経験を積んで、特別な人間じゃないとわかった。試合前は怖いし、スーパースターになれなかった」と笑う。酸いも甘いも知り抜いた41歳。「普通の人間代表として戦えたらいいですね」。左手首に「娘が初めて作ってくれた」というお守りをつけ、笑みを浮かべた。