初代アウトサイダー55-60キロ級王者朝倉海(25)が大みそかのRIZIN20(さいたまスーパーアリーナ)でRIZIN世界バンタム級王者堀口恭司(29)に挑戦することが決まった。この日は佐々木憂流迦(うるか、30)に1回54秒、ドクターストップのTKO勝ちした後、リングに堀口を招き入れ、榊原信行実行委員長が“承認”して決定した。

8月のノンタイトル戦で撃破した堀口と大みそかにベルトをかけて戦う。朝倉は「みんな、見たいですか?」と観客に問いかけ大歓声を浴びた。この日が誕生日だったリングサイドの堀口に「誕生日おめでとうございます。この試合が僕からのプレゼントです」とリングに招き入れ、あうんの呼吸で大一番が決まった。

この日も朝倉は圧倒的だった。UFC参戦経験もある百戦錬磨の佐々木を、堀口戦の“68秒殺”の上を行く“54秒殺”。左フック、右フックを往復ビンタのようにヒットさせ、リングで“亀”になった相手の頭部に、反動をつけ、豪快に左膝をたたき込んだ。佐々木は口から大流血。ドクターが「あご骨折の疑いあり」と見て、試合を止めた。

朝倉は「右フックが相当効いた手応えがあった。膝もけっこう入っていたんで」と秒殺勝利を冷静に笑顔で振り返った。漂う絶対的な自信。「(8月の)堀口戦が決まって、劇的に成長したと思っています。特に打撃。それでテークダウンもされにくくなった」と言い「今日は堀口選手に分析させるのでなく、プレッシャーを与える試合をしたかった」と言い放った。

格闘技の活性化を望む。「リスクがあっても、自分から動かないと。突き抜けたことをやらないといけない」という。大みそかの注目はさらに高まる。「堀口選手は今度、対策を立ててくると思いますが、僕は自信がある。僕に合うタイプの選手と思います」と不敵に笑った。