韓国の“打撃女子”ハム・ソヒ(32)が山本美憂に2回4分42秒、TKOで勝ち、大みそか決戦のRIZIN20(さいたまスーパーアリーナ)のRIZIN女子スーパーアトム級王者浜崎朱加への挑戦権を獲得した。

右手を大きく前に出し、グラウンド勝負を狙いタックルに来る山本との距離を取りながら、圧力をかけた。ミドルキックをキャッチし、押しつぶし、片手でパウンドを浴びせ続け、勝負を決めた。

元レスリング世界選手権女王の山本を破り「うれしいけど、ちょっとさびしい」と複雑そうな表情を見せた。1年前に山本の弟“KID”徳郁さんが死去したこと、それを乗り越えて戦う山本の心境を思いやってか、会見場では涙を浮かべる場面があった。「山本選手のバックグラウンドも知っているし、同じ人間として、女性として、ここまで心が痛い試合は初めてでした」と話した。

浜崎とは過去2戦2敗だ。試合後、リングに登場した浜崎が「3度目もしっかり勝たせてもらいます」と“挑発”すると「2回負けたんで、3回目(の負け)はないと思います」と応戦した。極度の近視のためリング外では丸いメガネ姿で、格闘家と思えない風情を漂わせる。「リングでは(人の)形だけ見て戦ってます。私の1番の願いは、ちゃんと相手を見て戦うこと」。“戦うアラレちゃん”がRIZINの頂点を狙う。