08年北京オリンピック(五輪)柔道男子100キロ級金メダリストで総合格闘家の石井慧(32=チーム・クロコップ)があこがれの米ラスベガスで自身初の総合格闘技マッチに臨む。

参戦している米総合格闘技プロフェッショナル・ファイターズ・リーグ(PFL)2019のヘビー級プレーオフは31日(日本時間11月1日)、米ネバダ州ラスベガスのマンダレイベイで開催される。8月にプレーオフ進出を決めた石井は準々決勝で、予選を1位突破した優勝候補デニス・ゴルゾフ(28=ロシア)と対戦(5分3回)する。

「気持ちの高ぶりは隠しきれないし、緊張もするだろう」。昨年10月、グラップリング(打撃なし、関節と組み技のみ)ルールのQUINTET3大会で元UFCヘビー級王者フランク・ミア(米国)と対戦して以来のラスベガス。総合格闘技ルールの試合は自身初となる。会場もボクシング世界戦のビッグマッチやUFCが開催されてきたマンダレイベイ。気持ちの高揚感は増すばかりだが、石井は「それをひた隠し、コントロールして自分の持っているものをすべて出すことに集中します」と平常心を貫いた。

予選2戦2勝(KOと一本勝ち)で圧倒的な強さを示したゴルゾフとプレーオフ初戦となる準々決勝。勝てば、そのままケルヴィン・ティラー(米国)VSアリ・イサエフ(ロシア)の勝者と準決勝で激突する。優勝賞金は100万ドル(約1億1000万円)。大みそかに予定される決勝進出の切符を懸けた1日2試合のプレーオフだ。石井は「ゴルゾフの試合を見たが、初戦であたるのがベスト。組み合わせが味方している」と自己分析。今回、セコンドに入る予定のミルコ・クロコップ氏からも「ベストの組み合わせ」と激励されているという。

SNSなどを通じ、次々と応援メッセージが届いている石井は「日本のファンはまぶしすぎてみえない。かける言葉もみつからない」と感謝。その上で「(勝負のカギは)自分のスタイルを貫くこと」と集中力を高めていた。