王者デオンテイ・ワイルダー(34=米国)が「因縁マッチ」を制し、10度目の防衛に成功した。同級3位ルイス・オルティス(40=キューバ)と昨年3月に続く再戦に臨み、7回2回51秒、KO勝ちを収めた。

序盤から慎重な動きだった王者は挑戦者の左ストレート、カウンターパンチを受けるシーンが目立った。徐々に自らの距離感覚をつかんだワイルダーは7回、相手ガードの間を真正面から右ストレート一撃を浴びせ、ダウンを奪取。KO勝利を飾った。区切りのV10防衛となったワイルダーは42勝(41KO)1分け、負けたオルティスは31勝(26KO)2敗2無効試合となった。

ワイルダーは「勝つことで栄光を手に入れられた。オルティスに感謝したい」と口にした。昨年3月、オルティスを迎えた7度目の防衛戦は苦しんだ。先に5回でダウンを奪ったものの、7回に猛反撃を受けて試合を止められそうな展開になった。何とか10回に2度のダウンを奪ってTKO勝ちに持ち込んでいた。前回と同じように強烈な右拳でトドメを刺し「彼は他のヘビー級とは違う。戦略性もあるし、先を読まなくてはならない。左を何とか使い、良い距離が取れたので1発を出した」と満足顔でKO勝利を振り返った。

18年12月に引き分けた同級2位タイソン・フューリー(英国)との再戦にも前向きだ。「次? フューリーとのリマッチはやりたい。日程は分からないけど、2月かな」と来年2月の対戦を示唆。フューリーとの決着戦後には「統一戦をやる。ワイルダーが統一王者になる。王者は1人でいい。オレですよ」と豪語していた。なお米メディアによるとワイルダーには2000万ドル(約22億円)が報酬が保証されているという