身も心もスッキリして世界に返り咲く! ボクシング元IBFスーパーバンタム級王者で同1位岩佐亮佑(29=セレス)が27日、千葉・柏市の所属ジムで練習を公開。12月7日に米ニューヨークで行われる同3位マーロン・タパレス(27=フィリピン)とのIBF同級暫定王座決定戦に向け、上々の仕上がりをみせた。

11月2週目には、引っ越しと大胆な整理を敢行。すっきりした心持ちで大一番に臨む。

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岩佐がキレキレの動きで2回の最終スパーリングを終えた。相手は日本バンタム級4位でサウスポーの定常育郎(T&T)。距離を置きふりかぶって打つ定常の戻り際を狙い、右フックをさく裂。短い時間の中でも「イーグル・アイ」と呼ばれる自慢の洞察力と、技術が光った。拳をあわせた定常は「右の使い方が超一流。右フックがあごに入り倒れそうだった」と感服した。その後、ミットを受けた小林昭司会長(46)は左右のボディー攻めに「本当に痛い」ともん絶。「明らかにパワーアップしている」「ミットを持っていても追いつかない時がある」と愛弟子の成長を喜んだ。岩佐は「疲れがたまっていたけど絶好調だった」と満足そうに練習を振り返った。

17年9月にIBF王者となったが、昨年8月に陥落。今回の暫定王者決定戦はその王座に返り咲くためのステップとなる。「本当に本心でラストチャンス。死にものぐるいで、どんな泥臭いボクシングでも勝ちにこだわっていきたい」と言葉に力を込めた。

12月26日に30歳を迎える。その前に「断捨離(だんしゃり)しようと思って」。11月の2週目、世界戦が決まる前から予定していた引っ越しをした。その機に家具や服など余計なものをすべて捨て、自動車のローンも完済。身のまわりを徹底的にきれいにした。「チャンピオンになってなんか買おうとか、30になって何かやろうとかはない。今はすっきりした気持ちでボクシングに集中できている」。新たになった精神状態で1日、決戦の地ニューヨークへと向かう。【高場泉穂】