ボクシング東洋太平洋スーパーバンタム級王者勅使河原弘晶(29=輪島)が、来年の世界挑戦へ向けてKO防衛を宣言した。

12日に東京・後楽園ホールでV3戦を控え、11日は都内で前日計量に臨んだ。勅使河原は55・2キロ、同級15位川島翔平(28=真正)はリミットの55・3キロでクリアした。

勅使河原は計量後にフェイスオフしたが「川島? いましたっけ?」。10月に川島の神戸での試合を見に行ったが「つまらない。花がない」と言い切った。「来年世界王者になると決めている。一方的に殴って終わる。ただ倒すだけ」と眼中にない。

今回もフィリピンで2週間スパーリング合宿し、世界ランカーらを相手にした。帰国後はスランプになった。ここ2戦は左相手で、右への感覚を忘れてしまっていたという。そんな時に輪島会長が自ら手本を見せてくれ、すぐにスランプから脱出した。「会長はボクの原点。来年には会長と同じベルトを巻く」。

IBFで7位に世界ランク入りしている。岩佐が7日に米ニューヨークで、暫定ながらも王座を奪回した。「日本にベルトがあるということはいいこと。ボクにもチャンスがある」とニヤリ。まずはKO防衛で今年を締め、来年世界へまた1歩踏み出すつもりだ。

川嶋は14年全日本新人王以来の後楽園ホールでの試合となる。タイトルは3度目の挑戦。元世界王者長谷川穂積がいたジムだが、現在ジムにベルトはない。「王者になって強いジムを証明したい」。長谷川氏は勅使河原にアドバイスを送る仲。「今回は僕の後輩だから応援しない」と通告済み。ジム挙げて王座奪取を目指す。