ボクシング日本フェザー級タイトルマッチの前日計量が11日に都内で行われた。12日に東京・後楽園ホールで、日本同級王者佐川遼(25=三迫)が初防衛戦で同級1位日野僚(29=川崎新田)を迎え撃つ。

両者ともにリミットの57・1キロでクリアした。

佐川は9月に決定戦で阿部麗也(26=KG大和)に判定勝ちで王座を奪取した。「今回もしっかり試合に向き合えた。動きも減量も仕上がりはいい。ミスが起きなければ防衛できると思う」と冷静に話した。今回は会社から1週間の特別休暇をもらい、最終調整できたことも大きかった。

洋菓子メーカーのコロンバンで営業マンを務めるサラリーマンボクサー。東京営業部で埼玉地区のイオンやマルエツなどを担当。東農大を卒業後は競技から離れて就職。その後にプロ入り。これまで試合前は有休を使っていたが、王者になったことで会社の支援も強力となった。

試合後はクリスマスや年末セールで店頭販売も手伝うことになっている。初防衛すれば、来年のチャンピオンカーニバルで同級2位丸田陽七太(25=森岡)と対戦も決まっている。「まずは初防衛。忙しい時期で今回は少ないが、社長も応援に来てくれる。首の皮1枚でも、ベルトにしがみつく」と声援に応えるつもりだ。

日野は初のタイトル挑戦となる。当初は9月の決定戦で初挑戦のはずだった。自動車教習所の教官で、国家試験と試合の日が重なり、泣く泣く辞退した。阿部には15年に判定負け。そこから8勝1分でここまでたどり着いた。「阿部に勝っている本物。強い相手だがうれしい。試合が楽しみ」と笑みを浮かべた。

ともに身長がある。日野は「ジャブと距離感では上だと思う。いつもは距離があるが、リーチのある相手にどう対応するか。流れの中で果敢にいきたい。ベルトがほしい」と決戦を待ち望んだ。