RENA(28)が涙のリベンジに成功した。50・8キロ肘ありの総合ルールで、リンジー・ヴァンザント(26=米国)に3回4分42秒でTKO勝利を飾った。

昨年6月、米ニューヨークでのベラトール大会では裸絞めで一本負けした因縁の相手。そのリベンジを果たすとともに、試合2日前、がんで亡くなった友人にささげる勝利にもなった。

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強いRENAが帰ってきた。6月に格闘技の聖地マディソン・スクエア・ガーデンで敗れた時は1回ですぐ背後から首をしめ上げられ、レフェリーストップ。何もできないまま終わった。だが、この日は違った。何度もテークダウンを取られるが冷静に処理。「打撃でKOしたい」と宣言していた通り、得意の打撃を貫いた。3回終了間際に馬乗りとなりパンチを連打。レフェリーストップで試合を決めると号泣した。

涙はリベンジとともに亡き友人への思いから来るものだった。リング上でマイクを取ると秘めていた思いを明かした。「29日、お友達ががんの闘病をしていたんですけど亡くなってしまって、今日も告別式に行ってからこの会場に来ました。たぶん見に来てくれていると思うので、絶対負けたくない、絶対に勝ちたいという強い気持ちで臨みました。本当にありがとうございます。見てくれているかな」。天国の友人に手を振って、勝利を報告した。

16歳からプロ格闘家として活動し、今年で12年目。シュートボクシングに土台を置きつつ、15年の大みそかに「1度だけ」と総合格闘技デビューし、いつの間にか4年がたった。6月の試合直後、RENAは自身のツイッターで「すみません。また同じ負け方しました。やっぱり私MMA(総合格闘技)向いてないわ 悲しませてごめんなさい…」とつづったが、勝利でまた自信を取り戻した。「(友人は)笑顔がすてきな方だったので1日でも多く笑って過ごせるように、勝てるように、日々努力していく」と力強く誓った。【高場泉穂】