新型コロナウイルス感染拡大で外出自粛が続く中、プロレス界では試合時の衣装に着替える様子をSNSで公開する「♯お家でフルコスチュームに着替えてみた」がブームとなっている。始めたのはDDTプロレスリングの大石真翔(まこと、41)。

今月7日に大石がツイッターで動画をあげると団体を問わず広がりをみせ、17日現在までに新日本プロレスのエース棚橋弘至(43)、マーベラス代表長与千種(55)、みちのくプロレスのザ・グレート・サスケ(50)ら30人以上のレスラー、ものまね芸人らが企画に参加している。

考案者である大石に取材すると、「ミラクルが起きてますね」とブームの広がりに驚いている様子。家でトレーニング動画を撮影しようとした時にふと「コスチュームでも着てみようか」と思いついたのがきっかけだった。

「無観客でも試合が難しい状況で、自分たちレスラーもコスチュームを着る機会がない。ファンの方も見たいかなと思ってやってみました」

すぐに2AW旭志織(42)ら知人レスラーにバトンをつなぎ、それが棚橋のものまねをする棚ボタ弘至を通じて、棚橋にもつながった。「さまざまな団体の方にやっていただきたいとは思っていましたが、まさか棚橋さんにまでいくとは…」とうれしい誤算。棚橋からYOH(31)、SHO(30)にもつながるなど、新日本でも広がりそうな勢いだ。

大石は外国人選手も参加しやすいよう、DDTスタッフと相談し、英語のハッシュタグ「#WearGearChallenge」も用意した。「ぼくの知らない人たちにもぜひやってほしい」とプロレス界だけでなく、他のスポーツ、エンターテインメント界にも広がってほしいと願う。

「今までは写真撮影でコスチュームに着替える時など、めんどくさいなと思うこともありました。でも試合をできない今の状況でコスチュームを着て、やっぱり気持ちがいいし、テンションが上がりました。早く試合のためにコスチュームを着て、ファンの方々に生で見てほしいです」。衣装で気持ちを奮い立たせて、興行再開の時を待つ。【高場泉穂】