原因不明の病で闘病を続ける初代タイガーマスクこと佐山聡(62)の復活が見えてきた。

佐山を支援する「一般社団法人初代タイガーマスク後援会」が東京都社会福祉協議会へマスク1万枚を寄付し、22日都内で感謝状贈呈式が行われた。この日は、リアルジャパンプロレス会長で後援会代表理事の新間寿氏(84)が、佐山の代わりに虎のマスクを被って登場。「佐山はだいぶ回復した。6月25日は行けそうです」と同日のリアルジャパン後楽園大会に来場できる可能性があると明かした。

佐山は15年5月に心臓を手術。いったん復帰したものの、16年12月の試合を最後に長期欠場し、パーキンソン病の疑いで何度も検査を繰り返していた。歩行困難の状態が続いていたが、新間氏によれば最近の佐山は軽く膝を曲げる程度のヒンズースクワットを200回ほどできるまでに回復したという。試合復帰の見通しは立たないが、リング上であいさつできる日は遠くなさそうだ。

そんな佐山がこの日、書で世に放ったメッセージが「異体同心」。マスクとともに、佐山の書を都の社会福祉協議会に渡した新間氏がその言葉の意味を説明した。「タイガーが何を言っているか。異なる体だが、同じ心を持つということ」。新型コロナウイルスの影響で感染者や医療関係社に対するいじめが発生していること、また明治時代に佐賀県唐津高串地区でコレラが流行した際に民衆を必死に助けた結果感染し、殉死した増田敬太郎の例を挙げ、今こそ、他人を思いやり、心を合わせることが大切だと説いた。「タイガーは、なんでいま心を1つにできないのか、いま一度日本人の心を取り戻そうという気持ち。(増田のように)東京都、日本全国のコロナウイルスを自分の一身、マスクとともに背負う、そんな気持ちで書いてくれた」と語った。

後援会によるマスク寄付活動は、神奈川県福祉協議会へに続き2度目。今回も都の協議会を通じ、都内の児童養護施設、乳児院に届けられる。この日式に出席した協議会の乳児部会代表で、二葉乳児院の都留和光院長は「都内11ある乳児院あわせ約500人の赤ちゃんを私たちは全力で守っている。マスクが品薄になっている中で感謝しています。大事に使わせていただきます」とお礼を述べた。