世界中で新型コロナウイルスが拡大している中、ニカラグアでは異例となるプロボクシング興行が開催された。メインイベントはライト級のノンタイトル8回戦で、計8試合が組まれた。26日の英紙ザ・サンによると、選手はマスクを着用して入場。試合はマスクを外す代わりに試合直前、全身に消毒液を散布された。なおラウンドガール、レフェリー、セコンド、ジャッジ、そして報道陣はマスクを着用していた。

会場となった同国マナグアのアレクシスアルゲロ・スポーツセンター(8097人収容)ではアリーナ入場口で入場者全員に検温と手足への消毒液散布が義務づけられた。観客席は約1メートルの一定距離を保って設置され、通常の10%程度の収容人数となったが、ほぼ満員の約800人が詰め掛けた。興行プロモーターは「ニカラグアは貧しい国で、ボクサーは食べていく必要がある」との窮状を明かした。また今後の興行開催は未定だという。

ニカラグア政府から正式発表はないものの、新型コロナウイルス対策のために実質的な国境閉鎖を実施し、出入国は規制されている。ただしニカラグア国内での感染者数は抑えられており、同政府は社会的距離の確保などを呼びかけていない。