オリンピック金メダルリストで初めてUFC王者となった現2階級(フライ級、バンタム級)同時制覇王者ヘンリー・セフード(33=米)が電撃引退を表明した。UFCバンタム級の初防衛戦として元同級王者ドミニク・クルーズとの初防衛戦に臨み、顔面への右ひざ蹴りからのパウンド連打で2回4分58秒、TKO勝ちを収めた後に公表した。

オクタゴン(金網)内での勝利者インタビューでデイナ・ホワイト社長らUFC関係者に感謝の言葉を述べた後、セフードは「11歳から(格闘技で)人生を犠牲にしてきたが、もう33歳。引退します」と晴れ晴れしい表情で宣言した。数多くの故障から3年5カ月ぶりに復帰したバンタム級の第一人者クルーズを下し、一区切りをつけることを決断したようだ。

セフードは08年北京五輪のレスリング男子フリースタイル55キロ級金メダリストの肩書を引っさげ、13年に総合格闘家に転向。14年7月にUFCと契約し、18年8月、当時のフライ級王座に君臨していたデミトリアス・ジョンソン(米国)を下してUFC王座に就いた。19年6月にはフライ級王者のままで、バンタム級王座決定戦に臨み、マルロン・モラエスと下して史上7人目の2階級同時制覇を達成した。

金メダルとUFCの2階級で王者となり、トリプルC(3冠王)と自らを称していた。セフードは「今日も戦略通りに戦えた。オレのような経歴は誰も残せない。トリプルCだ」と豪語し、オクタゴンを去っていた。