日本プロボクシング協会と日本ボクシングコミッションによる新型ウイルス対策連絡協議会が、15日にオンラインで行われた。7月の興行再開に向けたガイドラインが協議され、さまざまな案が出されたが、そのハードルは低くない。

正常化への前進だが、関西のあるジムの会長は「逆に(興行を)やるのが怖くなった」と話す。ボクシングは世界戦でもない限り、テレビなどの映像収益は臨めず、入場料に頼らざるをえないことからも、無観客は現実的でない。しかしいざ観客を入れての開催となれば、リングから観客席、観客席同士のソーシャルディスタンス、室内で行う試合会場だけに換気、その他レフェリージャッジ、セコンド、選手への安全管理など、課題はいとまない。

先述の会長は「いろいろシミュレーションはしています。そのたびに問題がわき起こってくる。これは(再開へ)そう簡単にいかない。時間をかけて、何回も協議していくしかないと思います」。39県で緊急事態宣言が解除され、休業自粛も緩和されてきている。一方でボクシングなど、試合会場で感染者が出れば、一気にクラスター化する恐ろしさがぬぐえない。

ファンが、何より選手が戦いが戻る日を待ちわび、じっと耐えている。出口の光はかすかに見えてきた。しかしまだ、遠い。【実藤健一】