米プロレスWWEの人気選手で「地獄の墓堀人」と呼ばれるジ・アンダーテイカー(55)が自らのドキュメンタリー動画で引退を表明した。

20日にWWEネットワークで配信中の「ラストライド」のラストエピソードが公開。そのインタビューの中で「リングに戻る意欲がない」と現役引退を明かし、米英メディアが一斉に現役引退を報じた。約30年間、WWEの歴史を築く活躍をしてきた達成感を口にし「もうやることは何も残っていない。ゲームが変わった。新しいメンバーが登場する時が来た。ちょうどいいタイミング」と続けた。

WWE王座4回、WWE世界ヘビー級王座3回、WWF(現WWE)タッグ王座獲得6回、WCWタッグ1回、ハードコア王座1回の戴冠を誇る。07年ロイヤルランブルも優勝した。年間最大の祭典となるレッスルマニアでは25勝2敗の記録的な勝率を誇った。

アンダーテイカーは「このドキュメンタリーは全体像に目を向け、自分自身の発見を助けた。過去数年間、自らが厳しいと判断していなかった。私はリング内よりもリング外の方が良いことができる。それを受け入れることができる場所にようやく到達した」と淡々と話した。

アンダーテイカーは今年4月のレッスルマニア36大会で、AJスタイルズとボーンヤード(墓場)マッチで対戦。墓地に生き埋めにし、勝利を飾ったのが最新の試合だった。「もし(WWE)ビンス・マクマホン会長がピンチに陥ったら戻ってくるか」との問いに対し「緊急の場合は(封印の)ガラスを割ってアンダーテイカーを引き出すことを検討するだろうが、決して言わないでくれ。私の人生とキャリアは今の時点でリングに戻ることを望んでいない」と念押しした。