32人が出場するシングルトーナメント「ニュージャパン杯」の2回戦4試合が行われ、IWGPジュニアヘビー級王者高橋ヒロム(30)が矢野通(42)にリングアウト勝利を収めた。

ヒロムにとって矢野は、若手時代にバリカンで髪を刈られた因縁の相手。再び刈られまいと、白いヘルメットをかぶってリングにあがった。一方、矢野は何も持っていないそぶりで入場も、ゴングが鳴るとすぐ隠し持っていたバリカンを取り出す。

ヒロムは「持ってんじゃねえか!」とリングの下に逃げ込み、反対側から出て巧みにそのバリカンを奪うが、矢野は2つ目のバリカンを取り出す。そのバリカンも阻止するが、今度ははさみで狙われる。

ヒロムは「こんなもんやるのにプロレスラーになったんじゃねえ」と叫びながら、リング上の戦いに持ち込もうとするが、矢野は応じない。テーピングで、若手の辻とともに足を巻き付けられ、後ろ髪を切られてしまう。

だが、ヒロムもあきらめない。片足を辻とつながれた状態のまま、矢野をエレベーターの場所まで追い込む。そこでとらえた矢野の両腕と目の部分をテープでぐるぐる巻きにし、そのままエレベーターにぶち込んで、階下へのボタンを押す。場外カウントが数えられる中、辻と二人三脚でぎりぎりリングに戻り、リングアウト勝ちとなった。

トリッキーな試合を制したヒロムは心身ともに疲労。バックステージでは辻に耳打ちして代弁してもらう形を取り、「あんなレスラーとは2度とやりたくない」とコメントした。次戦の準々決勝は7月2日で石井智宏と戦う。