亡き親友三浦春馬さんに白星をささげる。キックボクサー江幡塁(29)が28日、RIZIN22大会(8月9日、ぴあアリーナMM)への参戦を発表した。RIZINキックボクシングルールで植山征紀(24)と対戦する。江幡は18日に30歳で死去した幼なじみの三浦さんを思い、「ぼくが輝くことが彼が喜ぶこと」と勝利を誓った。

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昨年の大みそかのRIZINで江幡はキック界の“神童”こと那須川天心(21)と戦い、敗れた。入場の花道を双子の兄睦(むつき)、三浦春馬さんと歩き、試合中も2人がセコンドで見守ってくれた。その親友が今月18日に突然この世を去ってから10日。スーツ姿で会見に出席した江幡は、引き締まった表情で参戦を報告した。

「(昨年大みそかは)3人で入場させていただいて、夢の舞台でした。3人でみた景色は忘れません。残念な結果でしたが、もっともっと格闘技で輝いていくという約束が残っている。試合で語ろうと思っている。まだまだ見せれなかった自分があると思うんですけど、試合で語ろうと思っています。もう1度大みそかのRIZINで輝いた姿をみせられるようにしたい。今回リスタートです」。約束を果たすため、言葉に力を込めた。

三浦さんとは地元茨城・土浦市の小学校で知り合った。中学校でさらに仲を深め、三浦さんは俳優で、江幡兄弟は格闘技でトップを目指すと誓い合った。三浦さんが芸能界で活躍し、多忙となってもその縁は続いた。都合がつけば、江幡らの計量や試合時に送迎をしたり、相手の分析をするなどできる限りのサポートをしてくれていたという。今月20日に江幡は自身のインスタグラムを更新。「毎回、俺より緊張してる春馬の握ってくれた手がどれだけ心強かったか」と感謝の言葉をつづった。

悲しみの中から、次へと進む。昨年大みそかの那須川戦では“刺客”として期待されながら、2分40秒で3度ダウンを奪われた。完敗だった。「たくさんのことを感じました。またキックボクシングが面白くなった。まだ成長できると思った」。三浦さんへの思いをあらためて問われると、「やっぱり僕が輝くことが一番。僕が輝くことが、彼が喜ぶこと。しっかり僕の生きざまをRIZINで見せたい」。7カ月ぶりの再起戦で、思いをリングにぶつける。【高場泉穂】