しずちゃんが金メダルのために一肌脱ぐ。日本ボクシング連盟の女子強化委員、普及委員に就任したお笑いコンビの南海キャンディーズの「しずちゃん」こと山崎静代さん(41)が2日、オンラインで就任会見を行った。女子競技が初採用された12年ロンドン五輪出場に挑んだ経験を持ち、競技への恩返しの意味を込めて快諾した。

冒頭、現在北海道網走市で合宿中の女子日本代表に、「地獄のようにしんどいと思うのですが、頑張ってください。ご飯食べる時は楽しくしゃべって、練習の時は真剣に。みんなで乗り越えて行って下さい」とエール。フェザー級の東京五輪代表で、メダルが期待される入江聖奈(20)から、「小学生ながら、その時(12年)から競技人口が少ないこと分かっていたので、盛り上がることはうれしいと思っていました。その時は雲の上の大会だった国際大会に出場されていたので、あこがれに近い感情を抱いておりました」と告げられると、笑顔で応じた。

今後の具体的な関わり方は検討段階だが、「マス(ボクシング)くらいだったら、ぜひ練習相手に。がつがつの殴り合いはしてないので、がっつり来られると怖いですけど、マスボクシングならやりたい」と、再びグローブをはめることも。15年に引退。現在はジムワークはしていないが、ロードワークは欠かしておらず、リングインしての指導にも前向きな姿勢をみせた。

自身は12年5月に中国で開催された世界選手権でミドル級の五輪代表枠を獲得できなかったが、初戦は突破した。その時に挙げた1勝に、「あの瞬間の、あの喜びは、その前の地獄があったからというか。もっともっと生きていく中で、いろんな経験したいけど、一生あれが一番。財産になってます」という。

日本連盟からは女子競技の普及への助力も期待されている。「ボクシングやっていたと知ってもらっている。漫才中でもボクシング多いし、(相方の)山ちゃんを殴ったり、そういうのは引き続き殴っていきたいですけど、それが普及か分からないですけど、今度も(笑)」と笑いを取りながら、「ネタの最初に(委員に就任したことを)入れるとかなら全然ありかな」と、芸人の立場も最大活用していく構えだ。