WBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(30=フィリピン)が、3回TKOと圧勝した。同級11位デューク・マイカー(29=ガーナ)と暫定時代から3度目の防衛戦。2回にダウンを奪い、3回に連打でレフェリーストップ。3回54秒TKO勝ちした。

カシメロは初回から剛腕を振るっていった。右の強打に左のボディーで攻め立てた。2回1分すぎには左フックでダウンを奪った。立ち上がってきたマイカーをさらに攻め込む。この回は倒しきれなかったが、3回も攻め込んで左アッパーでぐらつかせると、レフェリーが試合を止めた。

ワンサイドの快勝にも、カシメロはリングで右腕1本で腕立て伏せのパフォーマンス。力は有り余っているとアピールしてみせた。12年にWBO世界ライトフライ級暫定王者となり、3階級を制覇してきた実力者。2月から米国にとどまってトレーニングしてきた。24戦全勝の相手だったが、格の違いを見せつけた。

当初はWBAスーパー、IBF世界同級王者井上尚弥(27=大橋)と対戦予定だった。新型コロナウイルスの影響で大きな興行収入が見込めないために先送りとなった。井上は10月31日に米ラスベガスで、同級1位ジェーソン・モロニー(29=オーストラリア)と対戦する。来年に見込まれる次戦で、両者の3団体統一戦実現が期待される。