「戦う管理栄養士」と呼ばれる岸百合恵(33=竹原&畑山)が54秒殺でプロ初勝利を飾った。

プロ2戦目で金子晴子(35=SRS)との女子ミニマム級4回戦に臨み、相手の打ち終わりを狙って右フックで1度目のダウンを奪取。何とか立ち上がった相手に右クロスを打ち込み、2度目のダウンを奪い、1回54秒、レフェリーストップによるTKO勝ちを収めた。

19年11月のプロデビュー戦では山家七恵(中野サイトウ)に判定負け。新型コロナウイルスの影響で、4度試合が延期され、ようやくつかんだ約1年1カ月ぶりのリングで、プロ初白星を挙げた。岸は「練習していたパンチの1つ。モチベーションの維持が大変でしたが、勝つ自信はありました」と勝利の味をかみしめた。

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、健康運動指導士の資格を持ち、都内の歯科など2つの職場で働いている。午前9時から午後5時30分まで勤務。そのまま所属ジムに向かい、午後7時からトレーニングしている。山形県出身で、山形北高まで陸上競技を続けてきた。運動好きのため、大学卒業後もランニングを続けており「走るだけではつまらなくなって」とボクシングに興味を持ったという。

さらに女子世界5階級制覇王者藤岡奈穂子(45)とも出会い、さらにボクシングへの愛情が高まった。現在は同じ所属ジムでスパーリングの相手も務めてくれる藤岡があこがれの存在。岸は「ボクシングが強いだけでなく、人間的にも素晴らしい。藤岡さんのようになりたい」と、世界王座獲得を目標に掲げていた。