3冠ヘビー選手権は第63代王者諏訪魔(44)が、挑戦者の芦野祥太郎(31)に勝利し、5度目の防衛に成功した。

13歳下の若手の挑戦を退けた。序盤から左足を集中的に狙う芦野の作戦に苦しめられた。レフェリーに「ギブアップか」と聞かれるも首を縦に振らず、観客の拍手に後押しを受け、ロープをつかみ、回避した。力と力のぶつかり合いは26分に及び、諏訪魔がバックドロップホールドを決め、ようやく決着を付けた。「芦野、お前のハートが一番俺は大好きだよ。足壊れちゃったけど俺はうれしい。またやろうぜ。それまで三冠のベルトをずっと巻いているからな。待ってるぞ」とコーナーに座り込む芦野に言葉をかけた。

デビュー17年目を迎えたが、若手には、まだまだ負けられない。今月3日に行われた4度目の防衛戦では青柳優馬の史上最年少の三冠ヘビー級王座と5冠獲得を阻止。「まだまだ伸びしろがある」とエールを送った。この日勝利した芦野にも「今年は次世代の若い力が出てくると思う。その中でも気持ちが強くて、これから三冠ヘビーや世界タッグを間違いなく取る人間」と評価。若手の実力を認めながらも、ベルトを守り、タイトルの重みを体で教えた。

昨年3月に同タイトル史上最多7度目の戴冠を果たした。その後コロナ禍で無観客試合を経験。納得のパフォーマンスができない中でも3冠ベルトだけは渡さなかった。「これを巻いたのが3月。緊急事態の中、1年間は王者であり続けたい」とさらなる防衛に意欲を見せる。試合後には43歳の佐藤耕平が名乗りを挙げた。「師匠でもある橋本真也も巻いたことのある強さの象徴のベルト。挑戦を受けていただきたい」。諏訪魔も「ものすごい強敵。実績も申し分ない」と承諾した。おじさんレスラー2人が、真っ向勝負で最強ベルトの価値を高める。