読者が選ぶ第25回日刊バトル大賞(対象は20年1月1日~12月31日)の20年プロレス部門は、ノアの潮崎豪(39)が初のMVPに輝いた。昨年1月にノアGHCヘビー級王座を戴冠し、1年間ベルトを死守した。ニッカン・コムの投票では、新日本内藤らを抑え、約67%の得票を獲得。杉浦との50分を超える激戦(12月6日、代々木大会)が年間最高試合に選ばれ、2冠獲得となった。

昨年1年間で6度の防衛に成功。強豪をなぎ倒し、トップに君臨し続けた。12月の杉浦戦では「小細工するより単純なぶつかり合いの方が伝わる」と相手の技を真っ向から受け止め、力勝負を演じた。「常に全力。それがノアの戦いを伝える」。10年前と比べ、体重を20キロ近く落とし、肉体改造。黄金の右腕から繰り出されるラリアットは、相手を軽々と1回転させるほどの威力。「自分にはこれしかない。トレーニングはしっかり積んでいる」と自負する。

今月12日には11年ぶりに聖地・日本武道館での興行を行った。7度目防衛戦では58歳武藤に敗れたが、今年も引っ張る立場に変わりはない。「裏切らない戦いをやってきた自信はある。コロナ禍で苦しい状況でも、止まることなくやってきた。ここからが始まり」。5度目の戴冠に向け、再び歩み始める。【松熊洋介】