52歳の永田裕志が“完全復活”まであと少しだ。タッグマッチで対戦するはずだった内藤が前日の試合で右膝を負傷し、欠場。

急きょSANADAとのシングルマッチが実現した。全盛期をほうふつとさせる強烈なエルボーや延髄切り、垂直落下式ブレーンバスターを浴びせるなど、見せ場を作った。最後は相手得意技のラウンディング・ボディ・プレスで力尽きたが「気持ちは負けていない。まだまだ立ち上がる」と力強く言い切った。

14日から始まった今シリーズでは、内藤、SANADAら新日本を引っ張る選手らと対戦。これまでは若手を相手にすることが多かった。「久しぶりにトップ戦線の連中と戦って、1つ1つの技が正確だった」と力の差を痛感。連日3カウントを奪われてはいるが、徐々に感覚をつかみつつある。16日の試合後には「完全復活まであとちょっと。あとは勝つだけ」と手応えも感じている。

かつてはヘビー級防衛10回を記録し「ミスターIWGP」と言われた。デビュー29年目を迎え、先輩としての威厳は保ち続ける。「(新日本が)いい時も悪い時も底辺の時も見てきた。試合ができることに全選手が感謝を持って戦うべき。今年は厳しくいく」と後輩たちに背中で教える。「現状から天に昇ればいいだけのこと。まだまだギブアップしない」。永田の勝利が新日本をさらに熱くする。【松熊洋介】